トン先生のコラム 徒然 その4 |
8 開業して12年目 |
当クリニックも開業して12年目となりました。 今まで地道に"患者様の健康と幸せを願って"を基本理念として一生懸命診療してきました。初めて当クリニックに受診される患者様(新患)は12年目の現在でも増え続け、1日外来診療人数もますます増えています。定期手術件数は年間大体1000件をキープしています。10年くらい経って、治療、接遇、医療サービスにおいて、私を含め、スタッフと患者様との信頼関係が確固たるものになってきたのだという嬉しい状況と考えています。 しかし、その反面患者様の待ち時間が長くなり、診察室で一生懸命病状を説明し治療しているのですが、その分どうしてもお待たせすることになり、大変心苦しく、申し訳なく思っています。あまり長くお待たせした時には、診察室で"お待たせしました"と言葉に出してから診察をしています。 中学1年生の頃、僕は医者になることを決めました。その動機は、僕は小さい頃体が弱く、よく風邪をひき病院に行くことが多かったせいもあるのでしょうが、一番は、教師であった父親が言った言葉、"一生懸命やったら人から有難うといってもらえる職業、人に感謝される職業を選びなさい"です。その気持ちは今でもずっと続いています。12年前に開業した時も、お金儲けをしよう、開業してある程度楽に暮らそう、趣味も色々やって楽しく暮らそうなどとは考えていませんでした。基本にあるのは"僕の持っている医者としての技量をフルに使って、患者様を治療したい"という気持ちでした。 もちろん、20年以上前には開業=金銭的余裕という考えもあったのは事実です。でも、既に僕の開業した頃の社会情勢は全く違った時代だったのです。今はもっと開業するのが厳しくなっていますし、開業して苦労するなら勤務医の方が楽で良いという医師も多くいます。 医者になろうと決意して35年が経ちます。医者になって20年が経ちます。僕はこの仕事を天職であると考えています。好きだから頑張れます。頑張れるためには、日頃の健康管理と体力維持も必要です。そのためには努力しかありません。 開業して12年、病気で休診にしたことはありません。もちろん風邪をひくこともありますが、体調を崩して休まないというのは医者にとって当たり前のことなのです。そのくらい厳しいものだと思っています。 どの仕事でもそうだと思うのですが、人間一人で出来ることには限界があります。お待たせしても、それ以上の患者様自身が満足できる結果と早期治癒を求めて、これからも出来る限りのことを誠心誠意努力して診療を行っていこうと考えています。(2005.9) |
7 山の体験 |
実に自分でも不思議な体験です。 先日、燕岳登山に行ってきました。僕は、毎年一回友人達と登山をすることにしていて、今年で5回目です。秋晴れで天気よく、稲穂が頭を垂れて黄金色に染まりキラキラ輝き、蕎麦の花は白い絨毯、林檎はたわわに鈴なり状態の中、車は農道を走ってゆきます。気持ち良いなと感じていました。その後、登山口から山登りを始めたのですが、急斜面ではあるのですが、森林が陽光を遮り、マイナスイオン一杯の緑の湿った空気に包まれ、登りのしんどさにもかかわらず、様々な匂いを体全体で感じながら登っていました。腐葉土の匂いは、あ、これはボルドーのあのワインに似ている、鳥の囀りはいったいどこから聞こえてくるのかな?上を見上げて探したり、登山が5回目くらいになって余裕も出てきたのだとは思いますが、それ以上に自然の中にいることでパワーを感じての登山でした。 無事燕山荘に着くと、そこは360度の大パノラマ、槍岳もはっきり見えます。気持ちよくビールで乾杯!!夜になると、たまたま十五夜の日で、山の稜線をバックに雲海に浮かぶ満月を観ることができ、これも幻想的!でした。 翌日は、燕岳はガスがかかっていましたが、登頂して下山。ゆっくりみんなで金沢に戻って来ました。 そこでです。いつもなら家に帰ると結構疲れて、ぐったりなのですが、なぜか元気! 年一回の登山で、今回は登り5時間、下り3時間半にもかかわらず筋肉痛も全く起こらず、翌日、翌々日も元気もりもりの状態!!いったいこれはどうしたことか?と考えてみると山、森林、という自然からパワーをもらってきた以外には考えられないのです。中村天風さんの本に、ヨガの修行で、毎日山に行って、ただ座っているだけで結核が治ってしまったという体験談があるのですが、まさにこの自然のパワーというものがあるのだと実体験しちょっとびっくりしてしまいました。今回は僕自身がうまく自然の気に同調できた為に頂いてきたものと考えられますが、ヨガの真髄を少し垣間見た感じがあり、貴重な体験でした。そして、この原稿を書いている今もそのパワーは続いています。(2005.9.22) |
6 品性 |
品がある人がいます。なぜだか普通の格好をしていても品がある人。 品のある人間性がにじみ出るような人になりたいと思っています。 言葉、動作に安定感があり、知識も知恵も豊富ですが、それをひけらかさず、ニコニコ笑っている笑顔にも余裕があり、物腰穏やか、がさつではなく、せっかちでもなく、背筋がピンと伸びている人、凛としている人、考え方がまっすぐな人、人の成功を自分のことのように祝福する人、人をうらやまない人、せこくない人、生まれが高貴なのではなく、お金がたくさんあるのではなく、全く別の観点から評価して品がある人。魂が輝いているというか、何だか人に元気を与えられるようなオーラがある人、という意味で品性のある人です。 こういった品性の高い人はきっと日々普通に努力している人なのだと思います。自分を磨こうと努力している人だと思います。人生をきちんとまじめに生きようとしている人なのではないでしょうか?そうしないとなかなか品性の高い人になるのが難しいし、品は身につかないと思います。努力だけでもなれないし本当に難しいです。なれるように、それに近づく努力はしようと思います。((2005.5.23) |
5 お金の考え方 |
"お金を儲けようとすると、お金は逃げていきます。人に良いことをしているとお金は後からついてきます" これは、僕の持論でもあり、医師という職業上"医は仁術"ということにつながる考え方です。 松下幸之助さんもその著書でよくよく、そのことの真実性を説かれています。それが本当だと僕も思います。また、人のため、社会のため、努力して会社を運営しているなら、企業が儲からないわけは無いのだとも言っています。つまり、人に役に立って社会のためになるような製品を作れば必ず売れるということです。売れれば会社の業績は上がり、利益が出て、さらなる社会貢献ができるという好循環が起こるのです。お金は後からついてくるということです。ここに仕事の真実があります。逆にいうとお金を儲けよう!リッチになりたいという動機、発想の人には、お金は入って来ないということです。これもまた、真実です。(2005.5.23) |
4 メンターを持つ |
皆さんは、尊敬する人はいますか? すぐに誰と名前を言える人は幸せであると思います。 僕は全人格的に尊敬する人はいないのですが、メンターという意味では、本を指導者と考えています。小さい頃から沢山の本を読む習慣がついていたことも幸いして、今でも随分たくさんの本を読みます。乱読と言ってよいのですが、生き方など人生の指針となるような内容の本を最近は多く読みます。 仕事場の近くに本屋さんがあるのでよく行きますし、本屋さんに行くといつも4,5冊まとめ買いをします。仕事場のいたるところに本が置いてあり、診療の合間、昼休み、夕方など、寸暇を惜しんで読むように心がけています。 本をたくさん読むと、様々な職業の人が様々な意見をお持ちなことも分かりますし、色々な人の考えがあることも分かるのですが、それぞれみんな共通点があります。共通点は、自分の生き方について、いつも真剣で、人生を前向きに、積極的に生きようとしているということです。そういう意味で、本は僕のメンターであり、読書は自分を成長させるとても貴重なものだと思います。逆に本をたくさん読むことの大切さを知っている僕から言わせてもらうと、本をあまり読まない人は、歳をとっても人間的魅力に欠け、脳細胞が歳と共に減っていくことを考慮すると、どんどん人間的に衰えていってしまうような感じがして残念に思います。 とにかく、たくさん、いっぱい、かたっぱしから本を読みましょう。生きるということは、結局いつもいつも努力し、前に動いているということが見えてきます。せっかくもらった命ですから、充実した人生をおくるようにしたいものです。そういう意味で良いメンターを持つことは絶対必要なのです。(2005.5.23) |
3 サプリメント |
サプリメントを取る方が非常に多くなっています。実際にサプリメントの市場は膨大で多くの企業が参入しています。たくさんの種類から、いったい何が良いものか?それを検証する学会もあります。補完代替医療学会です。きちんとした効果のある本物を探し出し、正確な情報を提供していく学会で、とても良い学会だと考えています。今月の末に金沢でその学会が開催されますので僕も行ってこようと思っています。 さて、サプリメントですが、食事から十分な栄養素を取れれば、これは申し分の無いことなのですが、実際には、ミネラル、ビタミンなどは食事から取るだけでは足りないようです。要するに、地球自体が痩せてきていると言えるのです。そうなるとそれを補う手っ取り早い方法は、やはりサプリメントを取ることだと言えます。 近年の、特に日本人の健康志向には目を見張るものがあります。健康に良いとされるものにはたくさんお金もいとわないという習慣が根を下ろしつつあります。 食事に関しては、まず、きちんとバランスの良い食事をし、その上で、あくまでも補う意味で、サプリメントを取るのが基本だと考えています。バランスの良い食事も取らずに、サプリメントだけに頼るのは間違っているのです。(2005.5.23) |
2 ふさぎの虫 |
さて、生きていると色々なことが起こるものです。一生懸命がんばっていても何だか、急にアホ臭くなり、やる気が失せてしまうことがあります。自分でもどうしたのだろうか?、昨日までの元気な自分はどこに行ったのだろうか?などと考え込んでしまいます。何が原因か良く分からないのだけれど、とにかくやる気がない。 この現象を"ふさぎの虫が動き出した"と言うようです。 こういうことは実は、誰もが経験することのようです。ふさぎの虫が動き出してくると焦って、どうしたらよいか分からなくなるのですが、この対処法はふさぎの虫が動きを止めるのを待つことだそうです。つまり、焦らず、何もせず普通に生活をしていると、自然にふさぎの虫は、静かになるということです。そうするとやる気もだんだん出てきて、また、活力が沸いてくるということです。 大事なことは、こういうことがほとんどの人に起こり、決して特殊なことではなく、時々あると言うことです。このことを知っているだけで落ち込むことも無く、生きてゆくことができるのです。知らないと焦ってしまい、色々手を出し、考え込んで悪い方向に気持ちが行ってしまうようです。 何もしないことがその対処法ということを知っているだけで良いのです。 このことは、五木寛之さんが書かれた本にあったのですが、日本だけでなく、韓国、ブラジルなど、全世界にあるようです。だた、僕がこのことを知ったのは最近であり、できれば、中学、高校生の頃に知っていれば、気持ちが楽だったと思っています。若い人に教えておきたいことの一つです。(2005.5.23) |
1 予防美容 |
予防医療という言葉が一般的になっています。生活習慣病、癌など病気にかからないようするにはどうしたらよいのかを人間ドックなどで定期的に身体の検査をし、医師が食生活を含めて生活指導を行い、健康で病気にかかりにくい状態にしていくのが予防医療です。 これと同じく予防医療の一部分でもあるのですが、"美しさの基本は健康であること"という考えから、お肌を健康で若く美しく保ち、肥らないように心がけ、ボディーをより若く保ち続けていくことを予防美容と呼んでいます。 インターネットなどで情報が氾濫する現代、皆様は、情報を集めるたびに、"これって本当?""実際のところはどうなのかしら?"と判断に迷うことが多いのではないでしょうか。 "〜が治った!、シミが消えた!"誇大広告も多く見られます。"〜が治った!"という意味は、"〜が治ることもある"と解釈すべきです。 乳輪の色が薄くなるクームや塗るだけで痩せるジェルなど、効果が判定できない商品も多く出回っています。健康食品においては多種様々なものが氾濫し、いったいどれを選択するのがよいのか迷うところです。 "最新の治療!"などというのも、最新ということは過去のデーターがないということなのです。10年20年後の予想が立たないということなのです。 こんな情報過多の時代だからこそ、本物の情報を提供し、きちんと指導してくれる医師が求められるのは当然の成り行きではないでしょうか? 当クリニックは開業当初より"かかりつけドクター"を目指し、日々、正しい情報収集に心がけ、良いもの、本当のものを提供しようと努力してきました。 美容医療という、技術の進歩が早く、また、新しい治療、製品がどんどん出てくる分野においては、本物を提供することが特に重要になります。 当クリニックは、開業当初より、患者様の健康を心から願う基本の姿勢から美容医療に取り組んできました。美容外科学会、形成外科学会、皮膚科学会、メディカルビューティーフォーラムなど、美容医療に関係のある学会には、毎年きちんと出席し、情報収集をするばかりではなく、本当のものを導入し皆様に提供しています。 当クリニックの美容医療の考え方は、肌についてはメディカルエステ、補完代替医療としての確実なサプリメントの提供、美容外科としては、しわ取り、シミ取り、脂肪吸引など、きちんとトータルで治療できる体制を確立しています。皆様にとってのかかりつけ美容医を目指し、今後とも日々努力していこうと考えています。 美容のことで分からないことがあればなんなりとお気軽に相談していただければ幸いです。 最後になりましたが、2,3年前よりメディカルエステをお受け頂いている方から、予約が取れない!と言われ、申し訳なく、なんとかしなくてはいけないと思っておりました。この度、縁ありまして、メディカルスキンケア八日市店を7月にオープンさせて頂く運びになりました。本店と同じ施術を受けて頂けますので、安心してご予約をお取り下さい。 (2005.5.18) |