美容外科  脂肪吸引術
1 手術の原理
 成人になると皮下の脂肪細胞は、その増減はほとんどなくなり、いわゆる肥満の原因は脂肪細胞一個一個の大きさが大きくなるためです。従って、一度脂肪細胞を吸引によって除去してしまえば、その部分の脂肪細胞の数は著しく減少し、それ以上増えることはありませんから、非常に大きな効果があります。つまり吸引した部位はほとんど太りません
 ただし、体の部位によって吸引しやすいところと、やや困難なところがあります。
 また、この手術には必ず出血がともないますので、吸引量に限界があります。
 一回の吸引量は普通の成人女性で1500ccが限界です。
2 手術方法
 吸引の範囲あるいは部位によって麻酔方法がちがいます。例えば、おなかより下の場合は通常、硬膜外麻酔といって背骨の近くにチューブを入れて、必要なところだけを麻酔します。従って意識があります。手術中寝ていたいと希望される患者さんはそのむねを申し出てください。
 まず、目立たないところを約1.5cmほど切開し、皮膚を傷めないように吸引棒とさやのようなものを入れます。次に吸引予定部位に特殊な脂肪溶解剤を注入します。
その後に細い吸引管によって十分脂肪を吸引します。切開部位は形成外科的に縫合して手術を終了します。
 入院の必要はありません。
3 術前術後の注意
手術前日は、必ず入浴し手術部位を清潔にしてください。
腹部の脂肪吸引の方は、特におへそも十分にきれいにしておいてください。
手術前日は、睡眠不足、アルコールの取り過ぎに注意してください。術後の回復を遅らせる原因となります.
手術当日は、アルコールを飲まないでください。
手術後、圧迫用の下着・ストッキングを、最低1ヶ月、理想的には3ヶ月着用していただきます。
手術後5〜7日目頃に、抜糸します。
手術1ヶ月後から、マッサージを行います。マッサージすることで、かたくなって少しでこぼこになったところをもみほぐして平らにしていきます。
マッサージ方法はこちらがきちんと指導いたします。定期的にマッサージに来院していただいても結構です。
脂肪吸引術は、術後の回復に多少の時間がかかります。
手術をご希望の方は、手術を受ける時期にご注意ください。