トン先生のコラム 徒然 その4 |
15. かき氷 | |
毎年、夏に田舎に帰ることにしています。 先日、家族で帰った時、僕が小学生の頃によく行った駄菓子屋さんの前を通ったらかき氷の暖簾がありました。最近でも良く見る、夏になったら店先で暑い風に揺られている"氷"と書いたものです。その文字に誘われて店の中に入ったら、昔懐かしいかき氷の古い製造器がありました。あら〜〜!懐かしいと思って見ていたら、店のおばさんが、"しまってあったのを一昨日出してきたんよ"と言っておりました。おばさんもブロックの大きな氷をシャッシャッと削るかき氷を食べてみたいと考えたようです。こうして最近では探してもなかなか見つからない、古いかき氷製造器を置いているお店が見つかった訳です。 すぐさま、ミゾレとイチゴのかき氷を二つたのみ、暑い夏の道端で食べたのですが、あの、きめの細かい氷の食感に甘い蜜が絡み合って、うまい!と感激してしまいました。かき氷はこうでなくっちゃ!という至福の時間です、夏の暑い日に、風も暑い場所で、額の汗をぬぐいながら、冷たいかき氷を食べる幸せといったらこの上ないものです。 僕は最近、冷房の良く効いた喫茶店で、色々アレンジされたフラッペなるかき氷を食べることが普通になってしまったことに、ちょっと違うんだけどな〜〜と思っていました。かき氷の美味しさを味わうのとはかけ離れてしまっているようで残念だと思っておりました。 かき氷は、シンプルでなくてはいけません。 ミゾレ、イチゴ、レモンのシロップのかかったものくらいまでで十分なのです。せいぜい練乳(ミルク)のかかったものまでが許せる範囲だと思っています。アイスクリームなどを乗せるようになるとちょっと違う食べ物に変化して、かき氷の本当の美味しさから離れていきます。 かき氷自体はもちろん、薄いガラスの皿にてんこ盛りの状態が一番です。スプーンですくおうと思うとこぼれてしまう位に盛り上げられ、その状態に蜜が垂れるくらい沢山かかっているのがベストです。 夏の太陽がギラギラ照りつける暑い日、森からはミ〜〜ン、ミ〜〜ンと蝉時雨、海が見える冷房の効いていない店の中、古びたテーブルで、昔懐かしいかき氷の製造機で作ったかき氷をパクパク、サクサクと食べること、これこそかき氷の美味しさを味わえる至福の時です。(2006,7,23) |
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