トン先生のコラム  徒然 その5

6 読書のすすめ

  "本の扉は、自らが開く"といいますが、読書はやはり人生を生きる上で、必要不可欠で、かつ最も大切な行為だと思います。
 日本人、特に若者の活字離れが言われて久しいのですが、やはり、人間の生きる糧として、あるいは自分を磨くという観点からしても読書はどうしても必要なものです。スポーツ新聞、雑誌、漫画、推理小説の部類は、残念ですが僕の言う読書という範疇には入ってこないものです。自己啓発書などきちんと生き方などを訓示、教示してくれる書物をどれだけ沢山読んだかによって人間の太さ、深遠さ、味が決まってくるものだと思います。

 僕は、年間、単行本、文庫本などを約100冊読むことを目標にしています。なかなか仕事も忙しく時間も限られがちなのですが、出来る限り本を読んでいようと思っています。
 僕の読書歴は、本格的には中学生に始まります。太宰治、三島由紀夫、島崎藤村、坂口安吾、小林秀雄、亀井勝一郎など日本近代文学を大体読んで、その後、外国文学に入って、カミュ、サガン、へミングウェイ、トルストイ、ドストエフスキー、ゲーテ、ヘーゲル、カントあたりまで行ったところで、少しまた日本の現代文学に戻り、宮本輝、小池真理子などの本も読みました。読書癖に近いこの習慣は、この青年時代からのものだと思っています。ここ10年では、中村天風氏、安岡正篤氏、森信三氏、本多静六氏、松下幸之助氏、稲盛和夫氏、本多宗一郎氏など生き方、人生、経営に関する本をよく読んでいます。

 ここで僕が言いたいのは、読書習慣は若い時につけてしまわないとダメだということです。読む習慣は、鉄は熱いうちに打て!と同じことが言えるのです。
 特に今の10代〜20代の若い人達に言いたいのです。現在は、携帯メール、テレビゲーム、など誘惑を掻き立てられる便利なものが溢れています。楽しいことも分かるのですが、これだけでは寂しすぎる、悲しすぎます。一生を通じて薄っぺらで終わってしまうのは、悲しいのです。まずは、本の楽しさを感じてじっくり本を読む時間を作りましょう。本の扉を自ら開いて欲しいのです。

 人間として生まれた以上は、生まれたことに感謝し、社会に役立つ何かを残して行った方がよいのです。それが出来るのは人間だけなのです。
 僕自身が実際に体験していることです。この本に出会って無ければ、自分の人生随分損をしただろうな!と思う体験が沢山あるからこそ心をこめて、声を大にして読書をすすめたいのです。
皆さん、とにかく本を読みましょう。(2008.01.03)
←7 食 5 森 信三さんの本→