トン先生のほんねトーク : 日々に新たに 811 プリマベーラ
日々に新たに 811 プリマベーラ
3月に入り院内の絵も架け替えました。
春はなんといってもボッティチェリ(1445-1510イタリアルネッサンスの画家でフィレンツエ派)のプリマヴェーラです。
毎年3月、4月には飾っています。
玄関の風除室にありますよ~~。
ご覧ください。
で、ちょこっと解説。
中央に、位置を高くして君臨しているのは、愛の女神ヴィーナスです。
右端には西風のゼフュロスがいます。
ゼフィロスは頬をふくらませ、青い顔をして、西風を吹かせ、春を運ぶ神。
ゼフュロスが抱きつこうとしているのはニンフのクロリス。
クロリスの口元から、花があふれ出出しています。クロリスは、ゼフュロスの手が触れると、フローラという花の女神に変身します。
クロリスの左隣には、変身し終わった女神フローラが、今にも足を踏み出そうとしています。
ゼフュロスはフローラに花園を与える。「春」の到来なのです。
左側の三人の女性は3美神です。
左の女神は「愛欲」、中央は「純潔」、右が「愛」の女神です。
左の「愛欲」と中央の「純潔」は、互いに見つめあい、対立しあっています。右の「愛」が二人の仲を取り持っていると言われているようです。
「愛欲」と「純潔」のあい反する性質を、「愛」で統一ししょうとしているのですかね。
キュービットは目隠しをしているますが、狙いを定めている場所は、「純潔」の頭上である。この目隠しが、愛の不確かさや、愛の負の部分を暗示していると言われています。
左端には神の使いであるヘルメスがいます。
右端のゼフュロスが暖かな愛の風を吹かし、神の世界に春をもたらすのに対し、ヘルメスがいることで人間と神の間に道を作ってくれて、人間界にも春の訪れを告げてくれるのです。
ヘルメスは上を向いて、頭上の霧を杖で払っている。理性の神でもあるヘルメスは、霊魂を曇らせる情念の闇を取り払っているとも言われています。
作品の題名は『春』なのですが、愛を讃える内容で、春=愛の季節を表現しているのだと思っています。
すみません、、。また話がそれてしまいました。