トン先生のほんねトーク : 日々に新たに 888 神経鞘腫

日々に新たに 888 神経鞘腫

入梅直前のいいお天気になりました。

やっぱり晴れがいいな~~とちょっと嬉しくなります。

神経鞘腫は良性の腫瘍です。

神経線維腫はわりに簡単に摘出出来るのですが、神経鞘腫は、一般的には顕微鏡を使って愛護的に摘出する繊細な技術が必要です。

というのも神経は束になっていて、束になっている神経からそ~~と、正常な神経を傷つけないようにして取り出すことが必要だからです。

術前にMRIなどの検査も必要になります。

症状としては、それより末梢の神経の痛みしびれを引き起こすことがあります。

外来で診察した時には、腫瘍部分を軽く叩いて、末梢にビリビリくるような症状(Tinel’s sign〈チネル徴候〉)が特徴的です。

当クリニックの外来でもたまに神経鞘腫に遭遇しますが、この摘出には手術用顕微鏡が必要なのでその設備がある病院を紹介するようにしています。

というのも、ずいぶん以前になりますが、女子医大形成外科時代、僕自身が神経鞘腫の顕微鏡下摘出を行っていたので、操作の難しさや高度な手術手技を必要なことをよく分かっているからです。

神経鞘腫は安易に肉眼的に摘出してはいけない腫瘍なのです。

自分のところでできない手術は自分でせず、きちんとした設備が整っている病院に紹介する。

当たり前ですが、これは患者さんの為です。

患者さんにとってベストの治療を考える。

自分がやったことのない手術はしない。

これが治療の大原則だと思っています。