トン先生のほんねトーク : 日々に新たに 945 酒さ様皮膚炎 1
日々に新たに 945 酒さ様皮膚炎 1
お盆明けになると、道路に蝉の死骸が転がっているのを見ます。
なんだかちょっと哀れというか、気の毒な感じがしますね、、。
やっと地上に出てきて一生懸命鳴いて、7日で命が終わる蝉の一生を思うと切ない感じです。
ツクツクボウシも鳴き始めました。
夏が確実に過ぎてゆく、、。
いつものことですが、この時期はやはり寂しい感じです。
強めのステロイドを長期に顔面に塗っていると必ず毛細血管が拡張して酒さ様皮膚炎を起こします。
最近では、タクロリムス軟膏による酒さ様皮膚炎の報告もあるので、タクロリムスも注意して使う必要があります。
治療としては、ステロイド外用の中止なのですが、その後のリバウンドにどう対処するかが問題になります。
で、抗アレルギー剤や非ステロイド軟膏、タクロリムス軟膏で治療することになるのですが、厳密にコントロールしないといけないところが難しい。
リバウンドで症状が悪くなってしまうと、患者さんはやむにやまれずまたステロイド軟こうを塗ってしまうこともあります。
従って、医者はその経過を重々説明する必要があります。
ステロイドを止めれば、大体は3日目に症状が悪くなり、3週間目くらいにはまた悪化しますが、それを乗り越えれば約3か月後にはかなり良くなりますと説明しておく必要があるのですね。
当クリニックでは、顔面にステロイドを長期に使用することは控えています。
弱程度のステロイドをさらに2倍希釈したものは使いますが、できるだけ非ステロイド剤でコントロールしたいのが本音のところです。
症状が良くなってきた場合のステロイド軟膏の止め方もしっかり指導しています。
そういう意味では顔面の湿疹、皮膚炎の治療は要注意で、厳密な管理が必要であることは言うまでもありません。