トン先生のほんねトーク : 日々に新たに 818 太田母斑

日々に新たに 818 太田母斑

水、木、金とまるで真冬のような気温と天気です。

水曜の夕方は気温1度、昨日の夕方も気温3度、、。

今朝も雨混じりの暴風雪、、。傘に湿気を含んだ重い雪が積もって途中で払いながら歩いて来ました。

でも峠は越えて、明日からはちょっと気温が上がってくるようで嬉しいです。

さて、顔面の色素疾患としてもう一つあるのが太田母斑です。

母斑といっても、色素性母斑のように母斑細胞が存在するわけではありません。

先天性のものもありますが、後天性に出てくるものもあります

色は茶色、もしくは青みがかったあざです。

下眼瞼やこめかみ、あるいは眼球の白い部分にもできます。

太田母斑はメラニン色素の沈着であるという意味では、老人性色素班と同じなのですが、違うところは、色素の沈着部位が老人性色素班より深いのです(深いから青く見える)。

真皮表層から深層にかけてランダムにメラニン顆粒が沈着しているのですね。

つまり均一に沈着しているわけではないのです。

治療はレーザーなのですが、色素がランダムで深いこともあり、1~2回の照射では剥がし取れない。

5,6回かかることも稀ではありません。

そして、もう一つ厄介なことは、太田母斑にレーザー照射を行うと、必ず約1か月目に照射部位の茶色が濃くなる。

その茶色くなる程度が、照射前より濃く逆に目立つのです。

レーザー照射をして逆に茶色くなって目立つ時期があるということです。

照射前にこのことをいつも患者さん繰り返し繰り返し説明しています。

でも、3~4か月に一度5,6回照射しているうちに太田母斑はだんだん薄くなってきます。

徐々に患者様満足度は高まってきますが、茶色く目立つ時期にはちょっと気の毒だなあとも思います。

太田母斑の治療は、まだレーザー機器が進歩していない時代は、ドライアイスの圧締療法でした。

約25年くらい前の治療です。

修業時代、教授が一生懸命太田母斑の患者さんの頬にドライアイスを当てていたのを思い出します。