トン先生のほんねトーク : 日々に新たに 879 脂肪腫

日々に新たに 879 脂肪腫

今朝も昇る朝日がしっかり拝めました。

有難いことです。

この時期になると朝の散歩をする方が増えてきます。

歩きながらですが、あちらこちらでせっせと歩く姿をみているのもいいものです。

ダイエットか体力作りか、はたまた老いの防止かどうか分かりませんが、皆それぞれ頑張っているな~~って感じで、僕も元気をもらいます。

さて、脂肪腫の摘出です。

普通は切開して腫瘍を取り出し縫合し、取ったものは病理検査に出します。

その摘出の方法ですが、吸引しちゃったらいいんじゃないの?傷も残らないし、、というご意見もあるのは確かです。

吸引は出来ないことは無いのですが、まず、大きくなった脂肪細胞の皮膜を全部吸引でとりきれるかどうか分かりません。

吸引してぐちゃぐちゃにしてしまうので判断がつかない。

つまり、取り残しの可能性がある。

そして、ここが一番重要なのですが、もし、万が一腫瘍が脂肪肉腫だったら悪性細胞をまき散らしてしまうことになる。

これは絶対いけません。

倫理的にも絶対してはいけないことなのです。

手術によって悪性細胞を転移させてしまうことになるのです。

患者さんを死なせることになる、、。

だから僕は脂肪腫摘出の吸引法は絶対しません。

脂肪腫は確率が1%以下でも悪性の可能性があるのです。

当たり前ですが、吸引法は保険適応でもありません。

保険のことはさておいても、医者は医の倫理に反することは絶対してはいけないのです。