トン先生のほんねトーク : 日々に新たに 905 切り傷の治療 4
日々に新たに 905 切り傷の治療 4
さて、今日は木曜で手術日。
今年もそろそろ半年になろうというところです。
手術件数もすでに700を超えています。
顔の切り傷の場合も縫合しなくてはいけない場合とそうでない場合があります。
もちろん、深さや傷の状況で判断するのですが、顔の場合は基本的には縫った方が良い場合が多いと思います。
特に子供さんの場合は、縫合することが多い。
というのも、テープ固定だけだと子供さんはテープをはがしてしまう可能性があるからです。
で、顔の場合は、泣こうが喚こうが、2~3人のスタッフに強めに押さえつけてもらって縫合する場合も多い。
ちょっと可哀想なのですが、将来のために仕方がありません。
動かれては正確に縫合できないのです。
子供さんの場合、将来的な傷跡のことを考えると、やはり縫っておく方がいいという場合が多いのです。
いつも思うのは、この子が自分の子だったらどうするかです。
自分の子どもだったら、縫う場合は縫う。
テープ固定でよい場合はそうする。
基本的に、形成外科医はとても細いナイロン糸で縫合するので縫合糸の痕は残りません。
夜間など救急で受診した場合は、何科の先生に当たるかどうか分かりませんが、これは運、不運もあると思います。
絹糸で縫われる場合もあるし、ステープラー(ホッチキス)でばちっと留められる場合もある。
流石にちょっと気の毒に思うこともありますが、その時の状況が分からないので、僕はあえて意見はしないことにしています。
絹糸やステープラーの場合は縫合痕が残りやすいので、傷痕を心配して当クリニックを受診した患者さんの抜、抜鈎は早めにしています。
この場合も抜糸、抜鈎した後はきっちりテーピング指導を行います。
とにかく、なんとかして傷跡を出来るだけ目立たなくさせたいというのは形成外科医の願いなのです。