トン先生のほんねトーク : 2017年08月の記事
日々に新たに 955 リベド、熱性紅斑
なんだか急に涼しくなりました、、。
季節の移り変わりってこんなに急にでしたっけ?って感じです。
2,3日前まではあんなに暑かったのに、、。
やっぱり夏の終わりは寂しいもんですね、、。
漢方薬の効果で一番素晴らしいな~~と思うのは、微小循環の改善だと思っています。
微小循環を改善させる西洋薬はあまりないのではないでしょうか?
そして、体の水分調節も漢方薬の方が優れているように思います。
色々勉強すると、こんなことも知らなかった、、ということが沢山出てきます。
やることは、日々、一歩、一歩、勉強、勉強です。
で、リベドに対するファーストチョイスはと言われると、冷え性が主体にあるので、まずは当帰芍薬散でしょうか。
当帰芍薬散の効能効果を見ると、
筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすい次の諸症:貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり)、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、慢性腎炎、妊娠中の諸病(浮腫、習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症
とあります。
西洋医学的に見ると、病気の改善が一体どうつながるのか?、、と良く分からないですね。
心臓弁膜症にはどう効くのか?、、一貫性がない、、。エビデンスが分からない、、。
この辺も漢方が敬遠されるところなのかも知れません。
効能、効果だけをみると、どれに効くのか、、使い方が良く分からないな~~ってことになります。
ただ、冷え性や浮腫を治すという意味では一貫性があるように思えます。
特に女性は下肢の筋肉のボリュームが少ない人が多いようなので、筋肉量の低下が冷え性や浮腫の原因にもなっているように思えてならないですね。
最近の女性のダイエット志向や痩せすぎも体全体の循環を悪くしているように思えてならない、、。
症状が悪くなって漢方薬に頼るのもいいのですが、その前に適度な運動、バランスの取れた食事、筋トレで筋肉量を増やす、、。
つまり、年齢に合わせてですが、常に体をマネージメントすることがまず大切なことだと思っています。
日々に新たに 954 リベド(網状皮斑)、熱性紅斑
少し涼しくなってきた気がします。
週末から来週にかけて季節がグッと進むらしいですよ~~(汗)。
季節の変わり目ですね。
風邪などひかないようにしないといけませんね。
抹消循環不全を伴い、毛細血管と細静脈の血流がうっ滞して、静脈炎、血管拡張をおこす疾患です。
リベドとは5mm~2cmくらいの大きさで、網目状の紫色~暗褐色の呈する皮疹です。
器質的変化を伴う場合と、一過性に起こる場合のものがあります。
熱性紅斑とは冬にストーブやこたつ、電気温熱器によって皮膚が持続的温熱刺激をと受けるためにおこる赤い、あるいは色素沈着のムラムラです。
下肢が好発部位です。
こんがり焼かれた感じの皮膚って感じです。
熱性紅斑の患者さんは当クリニックの外来でも時々いらっしゃいます。
どちらも冷え性の方にも起こりやすいのが特徴です。
基本的に下肢、特に下腿は循環不全が起こりやすい部位で、女性に多いのが特徴です。
西洋学的治療としては、ビタミンC、Eの内服が基本です。
ただ、これだけではなかなか治らない、。
で、明日は漢方治療を説明します。
日々に新たに 953 慢性色素性紫斑
そろそろ夏休みも終わりですね。
この時期は夏休みの宿題に追われる子どもさんも多いのでしょうか?
さて、慢性色素性紫斑。
その漢方治療としてのファーストチョイスは、温清飲がいいと思います。
セカンドチョイスは桂枝茯苓丸ですね。
微小循環悪化は結局のところ於血ですので、こういう疾患には漢方治療の方が効果があるな~~と思っています。
温清飲の効能、効果には、皮膚の色つやが悪く、のぼせるものに用いるとあります。月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症が適応疾患です。
どこにも慢性色素性紫斑とは書いていません。
しかし、要は於血なので血の道症の中に入る疾患の1つなのですね。
桂枝茯苓丸の効能効果もそうです。
体格はしっかりしていて赤ら顔、腹部は大体充実、下腹部に抵抗があるものの次の諸症状:子宮ならびに付属器の炎症、子宮内膜炎、月経不順、月経困難、帯下、更年期障害、冷え性、腹膜炎、打撲症、痔疾患、睾丸炎。
これだけだと、なんだ?ということになります。
慢性色素性紫斑とは書いていません。
よく考えると、2剤に共通するのは於血改善です。
この辺りも漢方薬の選択の難しいところだと思っています。
日々に新たに 952 慢性色素性紫斑
昨日も夏のゴルフしてました~。
午後からのスタートだったので無茶暑かったですが、夏のゴルフだな~~って感じで楽しんでました。
でも、もうツクツクボウシがあちらこちらで鳴いています。
いよいよ夏も終わりなんだな~と思いながら、まだまだ太陽に照らされてきらきら輝く、元気で緑の濃い芝生と木々を楽しんでいました。
さて、今日は慢性色素性紫斑です。
これは特に四肢に起こる慢性の疾患です。
好発年齢は30~40歳。
特に全身的な基礎疾患はないのに、点状紫斑、色素沈着、毛細血管拡張などの症状を呈します。
主な原因は、毛細血管の炎症を伴った微小出血ですが、毛細血管圧の亢進によって引き起こされると考えられています(循環不全)。
鑑別診断としては、血小板減少性紫斑もあるので一度は血液検査も必要だと思います。
一般的にはビタミンC、Eの内服、弾性ストッキングの装着をしてもらいますが、基本的に抹消循環の状態が悪くなっているので、漢方治療も奏功します。
明日はそのあたりをもう少し書いてみます。
日々に新たに 951 うっ滞性皮膚炎
だんだん、8月も終わりに近づいて来ています。
でも、まだまだ暑い日が続きますね、、。
暑い夏が大好きな僕でも、暑いのがあまり長くなると、ついつい涼しい秋が待ち遠しくなります。
僕は歩き通勤なので、まだ汗びしょです。
毎日が汗だくなので、もうちょっと汗をかかないような季節になってくれないかな~と最近は思うようになりました。
寒いのが長く続くと早く春が来ないかな~~と思うのと一緒だなと思っています。
まあ、寒いよりは暑い方が全然ましですが、、。
さて、今日はうっ滞性皮膚炎の漢方治療です。
で、第一選択というとやはり桂枝茯苓丸ではないかと思っています。
特に高齢者ではうっ滞性皮膚炎の方が多く、しかもすねなどはカサカサの方が多い。
もちろん保湿もするのですが、いわゆる皮脂欠乏性湿疹が合併しているような場合は、漢方治療としては桂枝茯苓丸+当帰飲子の処方となります。
頑固な静脈瘤があると下肢は痒くなります。
軟膏療法や抗アレルギー剤も処方して症状が良くなればそれでいいと思いますが、なかなか治療がうまく行かない場合には、桂枝茯苓丸の出番になります。
桂枝茯苓丸は下肢静脈瘤のふくらみに対してもある程度改善が期待できます。
こういう知識を少しでも余分に持っていれば、難治性のうっ滞性皮膚炎を少しでも改善することもできる。
漢方の知識が無ければ、なかなか治らなないね~とあきらめてしまうことにもなりかねない。
つまるところ、治療は患者さんになんとか良くなってもらいたいという情熱だと思うのです。
で、さらになんとかならないかとネットで調べたりする。
清書や論文も読んで治療法を考える。
結局、医者は一生勉強なのです。