トン先生のほんねトーク : 2017年08月の記事

日々に新たに 945 酒さ様皮膚炎 1

お盆明けになると、道路に蝉の死骸が転がっているのを見ます。

なんだかちょっと哀れというか、気の毒な感じがしますね、、。

やっと地上に出てきて一生懸命鳴いて、7日で命が終わる蝉の一生を思うと切ない感じです。

ツクツクボウシも鳴き始めました。

夏が確実に過ぎてゆく、、。

いつものことですが、この時期はやはり寂しい感じです。

強めのステロイドを長期に顔面に塗っていると必ず毛細血管が拡張して酒さ様皮膚炎を起こします。

最近では、タクロリムス軟膏による酒さ様皮膚炎の報告もあるので、タクロリムスも注意して使う必要があります。

治療としては、ステロイド外用の中止なのですが、その後のリバウンドにどう対処するかが問題になります。

で、抗アレルギー剤や非ステロイド軟膏、タクロリムス軟膏で治療することになるのですが、厳密にコントロールしないといけないところが難しい。

リバウンドで症状が悪くなってしまうと、患者さんはやむにやまれずまたステロイド軟こうを塗ってしまうこともあります。

従って、医者はその経過を重々説明する必要があります。

ステロイドを止めれば、大体は3日目に症状が悪くなり、3週間目くらいにはまた悪化しますが、それを乗り越えれば約3か月後にはかなり良くなりますと説明しておく必要があるのですね。

当クリニックでは、顔面にステロイドを長期に使用することは控えています。

弱程度のステロイドをさらに2倍希釈したものは使いますが、できるだけ非ステロイド剤でコントロールしたいのが本音のところです。

症状が良くなってきた場合のステロイド軟膏の止め方もしっかり指導しています。

そういう意味では顔面の湿疹、皮膚炎の治療は要注意で、厳密な管理が必要であることは言うまでもありません。

日々に新たに 944 酒さ 2

だんだん日が短くなっているようです。

朝も歩き始めは暗くなりました。

日の入りも早くなっているようです。

お盆を過ぎるとだんだん秋になって来ているのが分かります。

少し寂しげな感じもしますね、、。

酒さの治療はなかなか難しい、、。

西洋医学的にはテトラサイクリン系、ミノサイクリン系の抗生物質の内服をすることが多いのですが、これも長期になると副作用が心配です。

しかもどれほど効いているかはっきりしない場合が多い。

漢方薬としては、発赤よりも毛細血管拡張が主体の場合は於血と考えて、桂枝茯苓丸などもいいと思います。

また、発赤が主体で虚証でなければ白虎加人参湯の内服もいい。

酒さ鼻の状態に対してはさらに治療が難しい。

ある先生は、酒さ鼻に対し、テトラサイクリン系抗生物質と清上防風湯を併用するようですが、僕は使ったことがないので、どれだけの効果があるか分かりません。

酒さ治療は3度の酒さ鼻になってしまってからでは遅いのです。

1度の時期、つかまり出来るだけ早期に治療をすることが一番大事だと思っています。

 

日々に新たに 943 酒さ 1

お盆休みは16日まででしたっけ?

お盆休みって一般的には14,15,16にちなのでしょうか?

13,14,15じゃないのかな~~。

昨日は外来を普通にしましたが、午前が無茶混み~~、、。新患の嵐~~。

これは大変だ~~って感じでした。

ところが午後はわりに空いていて、どうも良く分からんな~~って感じの一日でした、、。

いつも来ている患者さんは16日は絶対混むと思って、この日は避けたって感じでかな~~なんて思っています。

さて、今日は酒さです。

これもなかなか難治性です。

まずは解説。

酒さは中高年に多く、症状としては、赤みがびまん性にあり、血管拡張も伴います。

かゆみはさほどでもありません。

慢性炎症性疾患というところでしょうか。

一般的には赤ら顔の状態なのですが、病期によって3段階に分かれます。

1度:紅斑性酒さ。顔面の赤みと血管拡張が目立ってくる時期。赤みは鼻唇溝、頬、眉間に分布します。

2度:酒さ性ざ瘡。炎症性丘疹や膿疱を形成し、いわゆるニキビの症状と似ています。

3度:鼻瘤。主に鼻に赤い結節や皮膚の肥厚、瘢痕を伴いブツブツとした顆粒状の出来物がびまん性に起こります。

文章で解説するとだいたいこのようになりますが、まあ、ネットを調べれば一目瞭然というところでしょうか。

明日ももう少し解説を続けます。

 

 

 

日々に新たに 942 

昨日までお盆休みでした。

昨日はやはりお墓参り。

お盆はいいですね。

今生きている家族が集まって先祖の墓に手を合わせることが出来ることはとても大切なことだと思います。

お墓の前で手を合わせると、なんだか心が落ちつくんですよね~~。

お盆の墓参りの習慣っていいものだな~~といつも思います。

小さい頃からずっと続いている習慣を大事にする。

素晴らしい事です。

さて、今日から診療です。

お盆が過ぎると、もう夏も終わりって感じになってきます。

毎年のことですが、この頃はちょっと寂しさを感じます。

祭りの後のような寂しさ、、。

蝉に代わって秋の虫も鳴き始めます。

これは、毎年のこの時期の自然の当たり前の移りかわりなのですね。

人はこの時期、なんとも言えない脱力感と寂しさを感じながら日々生きてくしかない。

毎日毎日、様々な喜怒哀楽や心の揺れを内包して日々を消化していくしかない。

それが生きるということだと思います。

日に新たに、日々に新たになのですね。

で、今日も頑張りますよ~~。

 

 

日々に新たに 941 脂漏性湿疹 2

巷は連休ですね、、。

昨日は山の日。

たまたま用があって、軽井沢に行っていました(日帰り)。

軽井沢、、。靄がかかって視界不良。雨も降りだし、、。

もうこの時期は結構涼しい、、。いや、少し寒いくらいでした。

聞くところによると、8月に入ると軽井沢はもう秋に気配になるとのことです。

軽井沢の夏は7月で終わりなのだそうですよ。

金沢に戻って来ると、まだまだ暑かったので、ちょっとホッとしてしまいました。

そうそう、脂漏性湿疹です。

これもなかなか治らないような場合には、やはり漢方の出番ということになります。

この漢方治療のファーストチョイスは十味敗毒湯。

十味敗毒湯は長期に服用して大丈夫な漢方です。

もちろん、効果がすぐに現れるようなことはないのですが、じわじわ効いて来ます。

この十味敗毒湯は華岡青洲氏が考案したものらしいですね。

十味敗毒湯はニキビ治癒にもよく使われるものですね。

炎症が酷く、赤みが強い場合は十味敗毒湯に黄連解毒湯を追加したりすることもあります。

まあ、そのほかにも漢方の選択肢は多くあり、地頭そう一方、白虎加人参湯、温清飲なども奏功することがあります。

脂漏性湿疹の場合、その症状と体質を考慮して処方するのが難しいところでもあります。