トン先生のほんねトーク : 2017年08月の記事

日々に新たに 940 脂漏性湿疹 1

今日は手術日です。

だんだんお盆休みが近づいて来ました。

当クリニックのお盆休みは8月14,15日です。

明日は山の日ですが、この山の日の休日が出来てからどうもお盆休みとがかみ合いません。

ペースを乱されてしまっています。

山の日は、出来ることなら、休日のない6月に制定して欲しかったな~~とついつい思ってしまいます。

脂漏性湿疹とは顔面、頭部、眉毛、鼻唇溝などの脂漏部位に好発する皮膚炎のことです。

常在真菌であるマラセチアやアクネ菌によるリパーゼによって生じる遊離脂肪酸がさらに炎症を助長します。

一般的な治療は、まずは、ステロイド剤と抗真菌剤を塗布し、炎症や痒みが治まってきたら、抗真菌剤のみ塗ることで良くなります。

また、ビタミンB2,6、抗アレルギー剤の内服も効果的です。

乳幼児や幼児の脂漏性湿疹はスキンケアをきちんとすることで軽快することが多いのですが、成人型というか大人の脂漏性湿疹は再発しやすいのが特徴です。

顔の鼻唇溝や眉毛の脂漏性湿疹は赤くて目立ちます。

角質層が荒れるために、皮膚表面に角質のボロボロが出来てきます。

これが嫌で、洗顔の時についついこのボロボロを擦り取りがちで、すっきりしてその時には気持ちいいのですが、これがまたなかなか治らない原因になります。

頭の場合も、フケ様のものが頭皮に付くので、シャンプーするときにフケを擦り取ろうとしがちです。

毎日、きちんと洗髪をしているのに全然良くならないという方も多い。

この場合も、フケを取ろうと思って一生懸命地肌を擦ることが治らない原因になります。

つまり、ここでも湿疹治療の原則、掻かない、擦らないというのがとても大事になってくるのですね。

再発もしやすいし、しつこい脂漏性湿疹ですが、きちんと治療すると良くなります。

なかなか治らないという方は、擦らないことを原則にして治療してもらいたいと思っています。

 

 

日々に新たに 939 蕁麻疹 4

昨日はやはり車で来て正解でした。

やはり台風です。

朝7時頃から強風、土砂降りで夕方帰る頃にもまだ雨嵐~~。

今朝は歩いて来ましたが、犀川の濁流と水かさの多さにビックリでした。

25年金沢に住んでいますが、あれだけの犀川の水かさの多さを見たことがありません。

土地の低いところは大丈夫なのか?と思ってしまうほどでした、、。

さて、蕁麻疹。

漢方薬を処方する目安というか、ある程度の傾向はあるようです。

漢方薬はエビデンスがはっきりしていないので、それぞれ先生によって使い方は異なるようですが、大体の傾向をいうと、

例えば、葛根湯は感染症や風邪で悪化する蕁麻疹に効くようです。

また、コントロールしにくい頑固な蕁麻疹には、体質改善目的で十味敗毒湯が良いようです。

まずは頑固な蕁麻疹には、茵蔯五苓散がファーストチョイス。

消風散などはやたら痒い蕁麻疹にいいようです。

痒みが少なく、膨疹後にむくみが残るような場合は五苓散。

まあ、大体そんな感じな様です。

寒冷蕁麻疹には、麻黄附子細辛湯も著効することがあるようですね。

しかし、これはあくまでも一応の指針であって、実際の治療はなかなか難しい、、。

でも、こういうことを悩み、考えながら患者さんを治療していくことは、患者さんにとってとてもいいことだと思うのです。

ただ、「これ飲んどいて!」と、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤を出すのはどこでもしている治療です。

だから、僕としてはもう一歩踏み込んで、あの手この手で、なんとかいい方向、治る方向に行かないものだろうかと考えながら治療したいと思っています。

やはり、医療に大切なのは医者の情熱というところでしょうか、、。

最近特にその情熱の必要性を感じています。

 

 

日々に新たに 938 蕁麻疹 3

台風は今朝には石川県直撃です。

その割には雨風が酷くないのはどうして?って感じの朝です。

歩いて来ようと思い、家を出たのですが、やっぱり引き返して車で来ました。

雨は激しいですが、風はほとんど吹いていない、、。

どうなったのか?

さっぱり分かりません。

これから酷くなるのでしょうか??

ずぶ濡れ覚悟ですが、歩いて来れたかも、、、(笑)。

さて、蕁麻疹。

しつこい慢性蕁麻疹の治療は本当に難しいと思います。

抗アレルギー剤に加えて、H2ブロッカー(シメチジン)などもあります。

西洋薬のプレドニンなども効くのですが、低用量だとしても、長期にのんでもらうにはちょっと抵抗があります。

で、漢方薬も視野に入れて治療することになるのですが、蕁麻疹に適応がある漢方薬も多い。

葛根湯、十味敗毒湯、茵蔯五苓散、大柴胡湯、消風散、茵蔯蒿湯、、、。

論文や漢方薬の本を調べてみると、治療のある程度の指針にはなるのですが、適応にない漢方も蕁麻疹に効くものがある(麻黄附子細辛湯、五苓散など)。

このあたりになるとなんだかどれを使ってよいか迷います。

で、慢性特発性蕁麻疹の治療はなかなか難しいものだな~~と言うことになります。

ただ、その人の証(体質)があってそれもある程度薬を選択するメルクマールになります。

日々考えながら治療はしていますが、頑固な蕁麻疹の治療は本当に難しいな~~とついつい思ってしまいます。

 

 

日々に新たに 937 蕁麻疹 2

いや~~。暑いですね、、。

昨日もゴルフしてましたが、太陽ギラギラ~。入道雲モクモクでした~。

アルカリ飲料をどれだけ飲んでもすぐに汗に出てしまうような、、。

汗だくで夏のゴルフを楽しんでいました(笑)。

さて、蕁麻疹。

原因もはっきりしないのですが、急性蕁麻疹は、抗アレルギー剤の内服や注射の治療でいいと思っています。

それで、大体は1週間くらいで症状は良くなります。

困るのは、特発性慢性蕁麻疹です。

これは経過も長くなるので、医者の方も少し考えながら治療していくことになります。

つまり、体質改善というか、なにか根本的に治す手立てを考えなくてはいけなくなるのですね。

これには、僕は患者さんの希望も考慮に入れながら治療を考えることにしています。

もちろん、抗アレルギー剤は長期に内服しても大丈夫なものなので、それでコントロールできる、あるいはそれでいいと思っている患者さんにはそうしています。

これに対し、何かもっと本質的な治療、根本的な治療を求める方には、当クリニックでは漢方薬やビタミン治療をすることにしています。

つまり、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の内服をしても皮疹が出続けているような場合、なんとかならないものかと思う訳です。

で、最近では漢方薬も併用して治療しています。

漢方薬のエビデンスははっきりしないことが多く、推察の域を出ないことも多くありますが、効く人にはバッチリ効いてくれることもよく経験します。

副作用に関しても、西洋薬から比べれば格段に低いので、安心して長期処方できることもメリットです。

蕁麻疹に効く漢方薬も色々な種類があります。

その人の証(体質)にあった処方を考えていくことが大切なのですね。

明日はもう少し具体的に治療を説明してみます。

 

 

日々に新たに 936 蕁麻疹 1

いや~~、今朝も朝から暑いです。

さて、今日は土曜日、、。

蕁麻疹も日常的に治療する病気の1つです。

蕁麻疹はその原因もはっきりしないことが多く、急性のものであればまあそれなりに治ってくれるのですが、慢性になるとなかなか治らず、長引くことも多い病気です。

一応、病態を解説すると、蕁麻疹とは真皮上層の一過性限局性の浮腫のことであり、毛細血管の透過性の亢進により生じます。

真皮下層のものは口唇、眼瞼などに多く血管性浮腫と言われています(やたら腫れます)。

主に肥満細胞によるヒスタミン放出によって蕁麻疹が生じます。

急性蕁麻疹は大体2週間以内に軽快しますが、原因不明で1か月以上蕁麻疹が出るものを慢性蕁麻疹と呼んでいます。

そして、厄介なのは、ひとたび慢性になると数か月から数年に渡ることもあります。

原因はやはり不明なことが多いのですが、一応原因として考えられるのは、食物、薬剤、寒冷、温熱、日光、ストレス、疲れなどですね。

さて、次回はその治療~。