トン先生のほんねトーク

日々に新たに 951 うっ滞性皮膚炎

だんだん、8月も終わりに近づいて来ています。

でも、まだまだ暑い日が続きますね、、。

暑い夏が大好きな僕でも、暑いのがあまり長くなると、ついつい涼しい秋が待ち遠しくなります。

僕は歩き通勤なので、まだ汗びしょです。

毎日が汗だくなので、もうちょっと汗をかかないような季節になってくれないかな~と最近は思うようになりました。

寒いのが長く続くと早く春が来ないかな~~と思うのと一緒だなと思っています。

まあ、寒いよりは暑い方が全然ましですが、、。

さて、今日はうっ滞性皮膚炎の漢方治療です。

で、第一選択というとやはり桂枝茯苓丸ではないかと思っています。

特に高齢者ではうっ滞性皮膚炎の方が多く、しかもすねなどはカサカサの方が多い。

もちろん保湿もするのですが、いわゆる皮脂欠乏性湿疹が合併しているような場合は、漢方治療としては桂枝茯苓丸+当帰飲子の処方となります。

頑固な静脈瘤があると下肢は痒くなります。

軟膏療法や抗アレルギー剤も処方して症状が良くなればそれでいいと思いますが、なかなか治療がうまく行かない場合には、桂枝茯苓丸の出番になります。

桂枝茯苓丸は下肢静脈瘤のふくらみに対してもある程度改善が期待できます。

こういう知識を少しでも余分に持っていれば、難治性のうっ滞性皮膚炎を少しでも改善することもできる。

漢方の知識が無ければ、なかなか治らなないね~とあきらめてしまうことにもなりかねない。

つまるところ、治療は患者さんになんとか良くなってもらいたいという情熱だと思うのです。

で、さらになんとかならないかとネットで調べたりする。

清書や論文も読んで治療法を考える。

結局、医者は一生勉強なのです。

日々に新たに 950 うっ滞性皮膚炎

もう8月もあと1週間ですね、、。

9月の声を聞くともう秋だなあ~なんて思います。

そうそう、血液循環不全の中にはうっ滞性皮膚炎というものがあります。

主に下肢に起こるのですが、原因は静脈血のうっ滞なのですね。

酷くなると静脈瘤の状態になるのですが、そこまでいかなくても、皮膚表面にチリチリした数本の血管の蛇行が現れ、わりに目立ちます。

あ、これ以前もブログで書いたような、、(笑)。

特に中高年の女性の下肢に多く、下肢の浮腫がすすむと、足がだるい、重たいなどの症状が出てきます。

また、夜間に足がひきつったり、こむら返りを起こしやすくなります。

西洋学的な治療としては、うっ滞性皮膚炎に対してはビタミンE,Cの内服や弾性ストッキングの装着、レーザー照射などがあります。

静脈瘤に対しては硬化療法、ストリッピングなどがあります。

明日はうっ滞性皮膚炎に対する漢方治療のお話をします。

 

日々に新たに 949 血行障害性皮膚疾患 1

今日は木曜日ですが、手術を無しにして休日にしました。

お盆明けはかなり忙しかったです。

さて、皮膚疾患のお話。

血行障害性皮膚疾患というものがあります。

下肢主体の循環不全によっておこる皮膚疾患です。

うっ滞性皮膚炎(静脈瘤症候群)や慢性色素性紫斑、網状皮膚斑(リベド)、熱性紅斑などがそれです。

局所の循環不全が引き起こす疾患と捉えていいと思いますが、漢方医学的には駆於血の状態です。

で、駆於血剤の治療が主体になります。

明日からは、疾患別の治療を解説してみたいと思います。

 

日々に新たに 948 乾癬 2

昨日は家について5分くらいすると外は急に雷雨になりました。

突然の雷、雨、突風で外は酷いことになってましたよ~~。

僕はなんとか難を逃れた感じです。

あと5分遅かったらびしょ濡れどころかもっと酷いことになってました。

雷怖いですね(汗)。

乾癬を漢方医学でとらえると、乾癬は、血虚、於血、温熱の状態ということになります。

で、その状態を改善させるとなると、駆於血剤と清熱剤を基本に考えることになります。

で、色々ある漢方薬をから選ぶとなると、標治の選択としては、温清飲がまず考えられます。

そして、本治の漢方としては桂枝茯苓丸となるのではないかと思われます。

で、温清飲と桂枝茯苓丸の合方も良いということになります。

もちろん、その方の体質もあるので、治療にはあ~だ、こ~だ考えることになります。

つまり、その方に合うものを探していく。

探していくのもなかなか選択が難しいのですね。

もちろん、漢方の出番は西洋の治療がなかなかうまくいかない場合に考えるのであって、漢方だけで乾癬を完治させようと思ってはいけないと思っています。

何回も言いますが、西洋医学と漢方医学との両面から考えて治療していく(良いとこ取り)。

どちらかだけではなく、両面から攻めるという姿勢が大事だと思うのです。

ところで、クスリには副作用というものが必ずあります。

例えば、乾癬治療に用いるチガソンなんかも副作用が多い薬剤です。

当クリニックではチガソンの内服も考慮にいれなくてはいけないほど重症の患者さんは、乾癬の専門医の先生にお任せする方針です。

長期に内服が必要な乾癬治療や慢性皮膚疾患の場合、副作用についても重々に注意が必要だと思っています。

 

日々に新たに 947 乾癬 1

夕方はまだ夏の感じですね。

蝉がまだ元気に鳴いていました。

この時期は、日没前までは蝉の声ですが、日没後は虫の声にかわります。

その移り変わりを風呂に入ってストレッチしながら楽しんでいます。

乾癬、これも難治性の疾患です。

教科書的には、鱗屑を伴う紅斑角化性の皮疹で慢性炎症性疾患とあります。

もちろん、ネットで検索して画像をみれば一目瞭然ですね。

皮疹は、膝、肘、頭部などに好発します。

乾癬の病型としては、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、滴状乾癬などがあります。

日本人の発生率は、0.1~0.2%くらですが、近年は増加しているようです。

治療は、ステロイドやビタミンD3の外用、ステロイド+ビタミンD3の配合剤、内服療法をとしては、最近(2017年3月1日)ではオテズラ(アプレミラスト)が発売されました。

先日も、外用剤でなかなかコントロールしにくい患者さんにオテズラを内服してもらいましたが、内服2週間くらいで皮疹は改善しました。

効果は十分にあったと思いますが、内服を続けるには新薬なので高価なために経済的負担が大きいと思います。

それ以外の治療としては光線療法(PUVA、ナローバンドUVB)、生物学的製剤もあります。

乾癬は慢性の疾患で、その症状の程度や皮疹の範囲によって治療法を考えていくのがいいと思っています。

ちなみに乾癬は人にはうつりません。

ご安心ください。