トン先生のほんねトーク

日々に新たに 906 刺創 1

さてさて、いよいよ梅雨前線が本州にかかって来ました。

金沢も今日くらいから雨マークばかりの1週間のようですね。

本格的な梅雨になりそうです。

集中豪雨にならなければいいのですが、、。

切り傷の説明が大体終わりました。

で、今日からは刺創です。

まずは、シャープペンや鉛筆の芯が刺さったような傷。

これも時々あります。

芯が刺さっていたら芯は必ず取り除きます。

しかし、この刺し傷の厄介なところは、芯が抜けても芯の粉が組織に入ってしまい、黒くなって残ることです。

刺してすぐに来院された場合、なるべく大きな黒い粉は取り除いてあげるのですが、微細な黒い粉は鋭利なピンセットを使ってもほとんど取り除くことは出来ません。

で、外傷性刺青の状態になって残ります。

しばらくして傷が治ると、刺したところはホクロのように見えます。

黒く残っていても感染を起こすことはありません。

どうしても取り除きたい時には、黒い部分を切除縫合する以外に治療法はありません。

鉛筆を刺した年齢にもよりますが、子供さんが小さい時には局所麻酔は無理なので、もう少し大きくなるのを待ってから治療を行うことになります。

シャープペンや鉛筆の芯が刺さった傷はそれなりに厄介だな~といつも思っています。

日々に新たに 905 切り傷の治療 4

さて、今日は木曜で手術日。

年もそろそろ半年になろうというところです。

手術件数もすでに700を超えています。

顔の切り傷の場合も縫合しなくてはいけない場合とそうでない場合があります。

もちろん、深さや傷の状況で判断するのですが、顔の場合は基本的には縫った方が良い場合が多いと思います。

特に子供さんの場合は、縫合することが多い。

というのも、テープ固定だけだと子供さんはテープをはがしてしまう可能性があるからです。

で、顔の場合は、泣こうが喚こうが、2~3人のスタッフに強めに押さえつけてもらって縫合する場合も多い。

ちょっと可哀想なのですが、将来のために仕方がありません。

動かれては正確に縫合できないのです。

子供さんの場合、将来的な傷跡のことを考えると、やはり縫っておく方がいいという場合が多いのです。

いつも思うのは、この子が自分の子だったらどうするかです。

自分の子どもだったら、縫う場合は縫う。

テープ固定でよい場合はそうする。

基本的に、形成外科医はとても細いナイロン糸で縫合するので縫合糸の痕は残りません。

夜間など救急で受診した場合は、何科の先生に当たるかどうか分かりませんが、これは運、不運もあると思います。

絹糸で縫われる場合もあるし、ステープラー(ホッチキス)でばちっと留められる場合もある。

流石にちょっと気の毒に思うこともありますが、その時の状況が分からないので、僕はあえて意見はしないことにしています。

絹糸やステープラーの場合は縫合痕が残りやすいので、傷痕を心配して当クリニックを受診した患者さんの抜、抜鈎は早めにしています。

この場合も抜糸、抜鈎した後はきっちりテーピング指導を行います。

とにかく、なんとかして傷跡を出来るだけ目立たなくさせたいというのは形成外科医の願いなのです。

日々に新たに 904 切り傷の治療 3

最近は通勤時に腕を大きく振るようにして歩いています。

いわゆる本格的ウォーキングスタイルなのですが、これ、結構いいです。

人から見れば、歩く姿はちょっと奇異に見えるかもしれませんが、腕を振ることによって、大胸筋や肩周囲の筋肉のボリュームが増えました。

同時にカロリー消費もただ歩くより50%くらいアップしています。

人目を気にする方はちょっと恥ずかしいかも知れませんが、ウォーキングをなさっている方は是非、腕を思い切り振って歩いて欲しいと思っています。

切り傷はすべて縫わなければいけないということはありません。

もちろん傷が深い場合には縫合が必要であることは言うまでもありません。

例えば、指の先端で傷も浅い場合は、ステリテープなどで寄せるようにしてテーピング固定をする場合も多くあります。

しかし、指関節や手掌などの場合は縫合した方が良い部位です。

指は使う時、曲げたり伸ばしたりする部位なので、関節にかかる切り傷は基本的に縫います。

また、手掌はテープ固定が難しく、やはり縫合が必要な部位です。

指先の場合の局所麻酔は、指先に注射を打つととても痛いので、oberst(オベルスト)ブロック麻酔といって、指の根元に細い針で麻酔を行います。

この麻酔方法はほどんと痛くありませんのでご安心ください(本当です)。

手掌の場合は直接切り傷の部位に麻酔をせざると得ませんが、これも切れている部分の皮下組織に針を挿入することにより痛みはかなり軽減されます。

僕は、麻酔注入速度も出来るだけ遅くして、痛みを軽減するようにしています。

当クリニックでは、直接切り傷の近傍の皮膚から針を刺入することはしていません。

できるだけ痛くない治療を日々実践しているので、ほとんどの患者さんはあまり痛くなかったとおっしゃいます。

もちろん、麻酔をする以上全く痛くないということはありませんが、実際の感覚としては、少しつねられる程度と思って頂いて良いと思っています。

 

日々に新たに 903 切り傷の治療 2

今日も天気は安定しています。

梅雨前線はまだ本州南岸にいます。

今朝の日の出時間は、夏至の頃より2分だけ遅くなったようです。

今日の日の入り時間は7時16分で1分伸びました。

この時期は日の出時間が日の入り時間より先に少しずつ(一日1分くらい)遅くなってくるようです。

こんなことも知りませんでした、、(汗)。

そういえば朝がちょっと暗くなったように思います。

天気のせいかな~~と思っていたのですが、、(笑)。

切り傷。

手の切り傷では、包丁やスライサーで削ぐような場合も多いですね。

特に指の先端をスライサーで削いでしまったような場合は、出血がなかなか止まりません。

でも、この場合も指の根元を縛るのはダメです。

先端をしっかり圧迫して医療機関を受診して下さい。

削いだ部分が小さい場合は、指の変形は残しませんが、しっかり削いでしまって爪の半分くらいまで無くなってしまうような場合は、治っても指の先端は変形します。

爪も変形して生えます。

この治療に関しては、なるべく変形を残さないようにする色々な方法があります。

手の外科や形成外科の先生の出番なのです。

まあ、皆さんはとにかく削いだ部分をしっかり圧迫して、指を心臓より高く保って病院にくる。

削いだ指先の組織が残っているなら持ってきてほしい。

そういうことだけでは覚えておいて欲しいと思っています。

 

 

日々に新たに 902 切り傷の治療 1

今週で6月も終わりです、、。

昨日はゴルフしてましたが、スタートと同時に雨が降り出して、途中少し小降りにはなりましたが、結構ビショビショになってしまいました。

で、今日は晴れ~~。

なんだかちょっと悔しいな~~って感じです。

で、擦り傷に引き続き今日は切り傷。

切り傷といっても色々ですね。

鋭利な刃物でスパッと切った切り傷。あるいは鈍器で潰されたような傷、削いだ傷などなど、、。

切った場所によっても処置が違ってきます。

例えば、頭を切った時はやたら出血するので、本人も周りにいる人もかなり動揺し、焦ると思います。

もちろん慌てて医療機関に駆け込むことになりますが、基本的に切り傷の場合は切った場所を圧迫止血するのが一番です。

交通外傷などの大きな怪我以外の日常でおこるような切り傷は、圧迫止血すると必ず血は止まるのでご安心ください。

例えば人差し指を包丁で切ったとしましょう、、。

なかなか血が止まらないために、焦り、なんとか止血しようと指の根元をゴムで縛って来院される方もいますが、これは絶対止めて欲しい。

例えれば、顔、頭の外傷で、血を止めようとして、自分の手で首を絞めている状態だとお考え下さい。

とても苦しいですよね、、(汗)。

息が出来ない、、。

指も同じで、指の組織がアップアップしています。

ということで、切り傷は必ず患部を圧迫して病院に来てもらうのが一番だと思います。

縫合が必要かどうかは、傷の深さや部位によって医者が判断します。

形成外科医としては、出来るだけ傷跡にならないようにはどうしたらよいかを第一に考えて切り傷の処置することになります。